ユーロ/円相場は、4月16日の124.94円をボトムに、足元では130円水準まで切り返す展開になっている。4月11日の直近高値131.12円を上抜くには至っていないが、総じてユーロ買い・円売りが優勢になっている。ユーロ圏の景況感悪化に伴う欧州中央銀行(ECB)が利下げに踏み切るリスクが警戒され、対ドルではユーロの上値がやや重くなっているが、ユーロ/円市場に対する影響は限定されている。
16日に発表された4月独ZEW景況指数は、前月の33.4から24.9まで大幅に低下している。22日発表の4月ユーロ圏消費者信頼感指数も前月の-23.5に対して-22.3と目立った改善はみられず、ユーロ圏の景気低迷が強く意識される状況にある。23日には4月製造業・非製造業購買担当者指数(PMI)の発表も控えており、ユーロ経済の弱さが浮き彫りになれば、ユーロの上値は圧迫されよう。5月2日のECB理事会では0.25%の利上げが行われる可能性が、今後も対ドルを中心にユーロの戻り圧力を限定しよう。
もっとも、ユーロ/円に関しては今後も堅調地合が続く可能性が高い。20ヶ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では特に円安批判の論調が盛り上がることもなく、日銀の強力な金融緩和策が外圧で修正されることはないとの安心感が強い。22日には日本生命保険が超長期国債投資を抑制して外債投資拡大の可能性を示すなど、今後は需給要因からも円安圧力が強まり易い環境にある。ドル/円は100円の節目を前に足踏み状態が続いているが、円サイド主導でユーロ/円相場の堅調地合が続く公算が大きい。ECB理事会を巡る思惑などからユーロに調整圧力が強くなった局面は、ユーロ買い・円売りの好機になると考えている。
今後1週間の予想レンジは、128.50~131.50円。